48方美人は終わらない

SKE48にはもう戻ってこない。そう断言して色々と転々した挙句、おめおめと戻ってきたくそDDの備忘録。

あの日見た月の名前を僕は知っている

何年も前の作品名をいつまで擦るんだよ、というツッコミはさておき。

 

SKE48では過去も含めて、多くの美しい月が雲を纏い、光を纏ってきた。

そして、今、我々の目の前にある美しい月が雲を纏い始めようとしている。

 

その月の凄さに衝撃を受けたのは、3月6日。

名古屋は栄にあるSKE48の劇場にて、9期3人のソロ公演が開催されていた。

その日の詳細は別記事にて猛烈に語っているヲタクがいるので、そちらの記事を参照していただきたい。そちらにも記載の通りではあるが、私はとある月を拝見してまぁ度肝を抜かれた訳である。

余りにも、衝撃的だった。

同じグループを応援する10年選手(※休養期間含む)ともなると、そういった類の衝撃は少なくなる。特に私の場合、勝手に想像を膨らませ、勝手に過度な期待をすることでそのラインを下回ると勝手に落ち込むという何ともめんどくさい悪癖がある。改めて文章にしてみると、本当にめんどくさいな、コイツ。

でも、そんな自分が一定の期待をし、そのラインを大きく上回ってくれるメンバーがいると手を替え品を替え、その感動を表現に起こす訳である。やっぱり、めんどくさいな、コイツ。

 

話を戻そう。

その日の田辺美月さんは、それだけ衝撃的で魅惑的だった。久しぶりに、心が滾った。コロナ渦でなければ、その場で奇声を上げていたと思う。

もう既にその日から半年以上経つ。それでも、一曲目のescapeのイントロが流れた瞬間、あの会場のざわめきを未だに思い出すことが出来る。

公演として、チームSの新公演初日が『最高』だったと断言できるが、一人のパフォーマーとしての衝撃はあの日の彼女の方が上回っていたかもしれない。

 

そんな彼女がとある時に、自身のshowroomにて心境を吐露していた。

今回のシングルである『絶対インスピレーション』の選抜メンバーが発表された夜のことだと記憶している。

『9期がもっと入ることが出来たら』という9期推しとして嬉しい言葉もありつつ、一方で、『頑張り方が分からない』という何とも重みのある一言もあった。

新世代コンなどでパフォーマンスを褒められること、そこキッカケで好きになってくれる人は増えた、だがそれが直接的な評価に繋がらないと。別軸として発生する売上という何とも重たくて嫌いな言葉がのしかかる、と。

ところどころファンのことを気遣いながら、彼女らしいゆっくりとした語り口で、それでも芯を感じさせる語り口で。

 

正直、このようなジレンマは今に始まった話ではなく、珍しい事象でもない。

彼女自身もAKBGを観てきたからこそ、その事象を覚悟していて、それでもなお苛まれている様子だった。

パフォーマンスとは非常に厄介なもので、その良し悪しを図る尺度が不明瞭だ。一方で売り上げというものは恐ろしく明瞭で、誰でも良し悪しが判断出来てしまう。

そして何より、この二つの尺度は相関しているかどうか曖昧だ。多分、ファンによって、強く相関する人とそうでない人がいると思う。私は言うまでもなく極度な前者だ。かといって後者を否定する訳ではなく、そこに善悪は存在しない。

 

でもだからこそ、前者だからこそ、そう思わせてしまった一人として申し訳ない、悔しいと感じてしまった。

あんなに、素晴らしい衝撃を貰ったのに。

あんなに、素晴らしい月を観せて貰ったのに。

 

そんなモヤモヤした想いを身勝手にも抱えながら、じゃあ、何が出来るだろうと考えたら至極答えは簡単で。

その頑張りは間違いじゃないと、言葉少なに、それでもしっかりと伝えに行けばいいじゃないかと。

ふと、彼女の「Escapeはソロ公演の時の衣装着るよ」という甘美な呟きを眺めながら、思った次第でした。

私のようないわゆる捻くれた絶滅天然記念物みたいな前者の方、後悔のない選択を。

 

 

 

<あとがき>

まぁ、前回のトーク会であの夜の月は本当に綺麗でした、と既に伝えに行ったんですけどね。まんまと、チャイナ服の会にぶつかって正直何の話したか覚えてません。