変わる強さ、変わらない強さ。
2022年11月5日。
私、時田は、石黒友月さんに歴史的な『敗北』を喫した。
一晩経った今、この文をしたためている訳だが、未だになぜああなったのかよく分かっていない。そんなはずはない、という言葉を反芻しながらも、思い浮かぶのは彼女の笑顔。これまで観たことが無かった笑顔。
私は、昨日初めて、石黒友月さんのキラキラスマイルを目の当たりにした。
2022年11月5日。
SKE48劇場で上演されたチームS『愛を君に愛を僕に』公演には、フロントメンバーを張るはずの野村実代さん、青海ひな乃さんの姿が無かった。
ただ、それ自体は決してイレギュラーでもなく、さして問題でもない。むしろ、運良く同公演の初日に馳せ参じることが出来た自分としては、両名の凄さは十二分に知っていた。
私が観たかった、感じたかったのはそれ以外の部分。初日から約半年を経て、変化はあるのか。そして、その変化は良質なものと言えるのか。
結果から言えば、『想定の範囲内』の良さだった。この表現は曲解していただいて構わない。いや、むしろ、曲解していただいた方が私の感じた印象に近しいと思う。
でも、その中で二つほど、『想定外』だった事象が生じた。
一つは、石黒友月さんの存在だ。
完全に、ノーマークだった。前述の通り、フロントメンバーの一人である野村実代さんが休演だったため、そのポジションに彼女がおさまっていた。その情報は事前に把握していた訳だが、忌憚の無い言い方をすれば、あくまで代役という認識でしか無かった。そこに化学変化が起きる、という予兆を感じて無かった訳である。
私の中での彼女の印象というのは、表面と内面に凄くギャップのある子、だった。お人形さんのように綺麗に整った顔立ち、メンバーから脚長おばけと形容されるモデル体型、キラキラスマイルと謳われる笑顔……とは裏腹に、所作の端々、表情の端々から少しだけ感じ取られる人間臭さ、なにくそ魂が見え隠れする。言葉を選ばす表現するのであれば、こんな感じである。
それでいて、そんな内面を舞台上で感じ取るのが難しい、私にはとても困難だ、と思わされたメンバーだった。
石黒友月さん推しの知り合いの言葉を借りると、『熱意や野心をしっかり持っているけど、周りを気にするあまり、中々外に出せないタイプ』のようだ。なるほど、そう言われると合点がいく。
そんな印象の彼女だったからこそ、昨日は本当にノーマークだった。
立ち位置的にソロを歌う機会が多く、前面に顔を出すことも多い。注目すべきは、歌い終わり。後列に移動する直前、全体を見回した刹那に見せる彼女の笑顔は、とても人間臭くて、前に立つ喜びを噛み締めている笑顔だった。能面に貼り付けたような、無味無臭の笑顔のようなもの、とはまるで違う。
あぁ、これがキラキラスマイルか、と。
終始、そんな感じだったので彼女の振りやスケール感をまるで覚えていない。ずっと彼女の表情を、笑顔を魅せつけられていた。
変わることを恐れていた彼女が、変わろうとしている瞬間を目の当たりにした、これが昨日の大きな収穫だったと思う。有難う、石黒友月さん。
二つに、手前味噌ながら、中坂美祐さん。私の、なので手前味噌と書かせていただこう。え?独禁法??知らん、そんな外国の法律。
私が彼女に対して、想定外だったのは『変わらない強さ』だ。新公演初日、劇場で観た彼女は本当に大きく変わっていた。それまでの彼女とは別人の、れっきとしたメンバーであり、パフォーマーだった。
それが要因かどうか定かではないが、彼女は着実にファンを増やしている。露出も明らかに増えている。着実に自信をつけていて、イキイキしている。今本当に、ノっているメンバーだと思う。
そんな姿をDD寄りの一ファンとして見ていたので、当然、劇場での姿にも期待をしてしまう。期待と不安を滲ませながら、当日は青白オレンジサイを強く握りしめていた。
そして。
改めて、その凄さをくっきりと認識させられた。彼女には、しっかりと『魔法』がかかったまま、だった。
『魔法』というのは、チームSを指導してきた牧野アンナ女史の発した言葉を指す。
新公演初日の舞台前、緊張や重圧でガチガチになるメンバー達にかけた一言。
『今日は楽しみなさい』と。
今までやってきたことを信じて、あとはしっかりそれを解放するために楽しみなさいと。
※状況、一言一句知りたい方はyoutube公式チャンネルのドキュメンタリーを是非観てください。
この言葉に背中を押され、メンバー達は新公演初日を素晴らしいものに仕上げた。
そして、今思うと、この言葉こそ、本当に重要な一言だと私は思う。
半年も経てば、やはり物事の鮮度は失われていく。公演は、生物だ。ましてや、年頃の子達が持つ敏感な感度は良い方向にも、悪い方向にも働く。
鮮度を保つことは、本当にとても難しい。
時の経過を、熟成とするのはもっと難しい。
つまりは、変わらないことこそ凄く難しいのだ。
そんな中で、中坂美祐さんは変わらないものを持っていた。
アンナ女史の『楽しみなさい』という魔法をかけられたまま、公演を、踊ることを、本当に楽しんでいた。変わらぬ鮮度で、変わらぬ熱量で。
もし仮に、この文章を読んでくれている物好きの中で、まだSKE48 チームS公演『愛を君に愛を僕に』公演を観ていない方がいれば、是非中坂美祐さんに注目して欲しい。いや、注目しなくてもいい、注目せざるを得なくなるから。
まだ、私は彼女を侮っていたのかもしれない。
まだ、私は彼女達を侮っていたのかもしれない。
あの日見た月の名前を僕は知っている
何年も前の作品名をいつまで擦るんだよ、というツッコミはさておき。
SKE48では過去も含めて、多くの美しい月が雲を纏い、光を纏ってきた。
そして、今、我々の目の前にある美しい月が雲を纏い始めようとしている。
その月の凄さに衝撃を受けたのは、3月6日。
名古屋は栄にあるSKE48の劇場にて、9期3人のソロ公演が開催されていた。
その日の詳細は別記事にて猛烈に語っているヲタクがいるので、そちらの記事を参照していただきたい。そちらにも記載の通りではあるが、私はとある月を拝見してまぁ度肝を抜かれた訳である。
余りにも、衝撃的だった。
同じグループを応援する10年選手(※休養期間含む)ともなると、そういった類の衝撃は少なくなる。特に私の場合、勝手に想像を膨らませ、勝手に過度な期待をすることでそのラインを下回ると勝手に落ち込むという何ともめんどくさい悪癖がある。改めて文章にしてみると、本当にめんどくさいな、コイツ。
でも、そんな自分が一定の期待をし、そのラインを大きく上回ってくれるメンバーがいると手を替え品を替え、その感動を表現に起こす訳である。やっぱり、めんどくさいな、コイツ。
話を戻そう。
その日の田辺美月さんは、それだけ衝撃的で魅惑的だった。久しぶりに、心が滾った。コロナ渦でなければ、その場で奇声を上げていたと思う。
もう既にその日から半年以上経つ。それでも、一曲目のescapeのイントロが流れた瞬間、あの会場のざわめきを未だに思い出すことが出来る。
公演として、チームSの新公演初日が『最高』だったと断言できるが、一人のパフォーマーとしての衝撃はあの日の彼女の方が上回っていたかもしれない。
そんな彼女がとある時に、自身のshowroomにて心境を吐露していた。
今回のシングルである『絶対インスピレーション』の選抜メンバーが発表された夜のことだと記憶している。
『9期がもっと入ることが出来たら』という9期推しとして嬉しい言葉もありつつ、一方で、『頑張り方が分からない』という何とも重みのある一言もあった。
新世代コンなどでパフォーマンスを褒められること、そこキッカケで好きになってくれる人は増えた、だがそれが直接的な評価に繋がらないと。別軸として発生する売上という何とも重たくて嫌いな言葉がのしかかる、と。
ところどころファンのことを気遣いながら、彼女らしいゆっくりとした語り口で、それでも芯を感じさせる語り口で。
正直、このようなジレンマは今に始まった話ではなく、珍しい事象でもない。
彼女自身もAKBGを観てきたからこそ、その事象を覚悟していて、それでもなお苛まれている様子だった。
パフォーマンスとは非常に厄介なもので、その良し悪しを図る尺度が不明瞭だ。一方で売り上げというものは恐ろしく明瞭で、誰でも良し悪しが判断出来てしまう。
そして何より、この二つの尺度は相関しているかどうか曖昧だ。多分、ファンによって、強く相関する人とそうでない人がいると思う。私は言うまでもなく極度な前者だ。かといって後者を否定する訳ではなく、そこに善悪は存在しない。
でもだからこそ、前者だからこそ、そう思わせてしまった一人として申し訳ない、悔しいと感じてしまった。
あんなに、素晴らしい衝撃を貰ったのに。
あんなに、素晴らしい月を観せて貰ったのに。
そんなモヤモヤした想いを身勝手にも抱えながら、じゃあ、何が出来るだろうと考えたら至極答えは簡単で。
その頑張りは間違いじゃないと、言葉少なに、それでもしっかりと伝えに行けばいいじゃないかと。
ふと、彼女の「Escapeはソロ公演の時の衣装着るよ」という甘美な呟きを眺めながら、思った次第でした。
私のようないわゆる捻くれた絶滅天然記念物みたいな前者の方、後悔のない選択を。
<あとがき>
まぁ、前回のトーク会であの夜の月は本当に綺麗でした、と既に伝えに行ったんですけどね。まんまと、チャイナ服の会にぶつかって正直何の話したか覚えてません。
勿体無いお化けが出るぞ
最初に断言する。
メンバーは決して悪くない、パフォーマンスは抜群に良かった。そんなの当たり前だ。そういうメンツなのだから。
だからこそ、悔しい。もどかしい。勿体ない。最終的にチグハグに感じてしまったから、多分、今回悪者はいないんだと思う。
どことなく、ズレていた。
フェスというものは色んな客層が存在し、三者三様の需要が存在する。だが、その一方で需要の共通点や最大公約数は必ず存在する訳だ。
一つは、音にノレるかどうか。
そこに起因するのは曲の知名度であり、曲のBPMだったり、フリの覚えやすさだったり。
そう考えた時、このセトリはどうなんだ……と一考してしまった。
そう考えた時、フルではなくハーフなのはどうなんだ……と一考してしまった。
そう考えた時、あの長いMCはどうなんだ……と一考してしまった。
勿論、楽曲に罪は無いし、良曲ばかりなのは間違いない。事実、会場が最も盛り上がったのは、予習曲として告知された「ごめサマ」ではなく、今でも最も知名度が高いであろう「パレオはエメラルド」だった。
知名度がはかれない、良い意味でも悪い意味でもAKBGらしい楽曲は中々に初見受けしにくい。そもそもSKEの楽曲はフリも中々に複雑で(その複雑なフリをしっかり演じる良さと表裏一体なのだけれど)、やっと観客もフリを覚え始めたと思ったらハーフで消化不良で終わる。その極端に巻いた時間がどこに充てがわれるかと言えば、自己紹介含むMC。
MC自体も決して悪い訳じゃなくて、昔の劇場で観るような「何を俺たちは見せられているのだろう(失礼)」な感じはなかった。ちゃんと、曲がりなりにも形になってた。こういう時のブルーシーさんの頼もしさよ。本当に頼もしかったよ。必ず次、券取るから。
でも、それでも、MCは熱が切れるんだ。
どう足掻いても、どれだけ秀逸なMCだとしても一度切れてしまうんだよ。
そういうのも知ってか知らずか、今日は観客への煽りが多いように感じた。有難うあおう……ブルーシーさん。やっぱり、あなたのこと好きだ。いや、大嫌いだけど大好きだ。
なんのために、このメンツを揃えたんだろう。
なんのために、こんな夢も実力もあるバキバキのメンツを揃えたんだろう。
歌い続けられるし、踊り続けられるし、魅せ続けられるんだよ。
何度も言うように、メンバーのパフォーマンスは本当に良かったんだ。本当に楽しそうに野外のライブを楽しんでた。お客さんも凄く好意的だった。知らないなりに、音にノッてみよう・聴いてみようという意思がありありとあった。隣のタスクファンのお兄さんも知らないなりにノッてくれたり、ケチャしてくれたりして有難う。タスク、初めて生で聴いたけどめちゃくちゃ良かったよ。
でも、ごめん。
もっと、もっと、もっと、楽しいし嬉しいし面白いんだよ。
その良さが伝わりきらない、熱として会場に伝わりきらないその歯痒さに歯痒くて歯痒くて夏なんだ。
という、自分がズレているのか、そうじゃない何かがズレているのか、もはや分からないぐらい衝撃的過ぎて。
SKEはフェス弱い、なんてよく昔から言われてるのは百も承知だけど、そんな一言じゃ片付けられないのよ、という駄文でした。
本当はね、パレオセンター坂さんのパフォーマンスが最高に良かったとか、気合入ってる時の最高に楽しそうな限界突破アミチャン最高とかそういう言葉でヲタクしてればいいんだけどね。
小室つき、アンナがこねし新公演、踊りしままに食うはメンバー
もう今回は完全な備忘録です。
帰りの新幹線なうです。少しでも新鮮な記憶と感動を残したくて。一心不乱に書いてみます。多少ネタバレな部分あるので、まっさらな状態で夜公演など観たい人はバック推奨。
まず、凄く小室で、凄く小室じゃ無かった楽曲。ユニット前の前半4曲は、SKEっぽさというか48Gっぽさもあって。ユニットは、まるでアイドル史を辿っているかのよう。完全に遊んでるよ、小室氏。で、ユニット後すぐの2曲はラテン調が心地良くて、1曲めっちゃ打ち込みマシマシこれこれこれ!感。
落とすところはしっかり落として、上げるとこはしっかり上げる。康のこんがらがった片結びをさらにこんがらせたような歌詞を紐解くのも面白いけど、どことなくストレートで、どことなく哀愁漂う歌詞が凄く新鮮。
で、メンバーですよ。
これまでのレッスンの軌跡を残した映像にもあったように、『個』が本当に生きていた。アンナ女史の話にもあった、『しっかりやる』のその先。そこが明確に見えたのは、本当に凄かったと思います。そりゃ、アンナ女史も「素直だ」と豪語する訳よ。
そして、一人一人がどう活きてたか、ですが、特にめざましいなぁと思ったのが、いずりん・あゆか・中坂さん。
いずりんは、安室ヘアだから合うやろ、みたいな冗談混じりのあてずっぽな想いがあった訳ですよ。でも、それは冗談でも何でもなく、最高に、想像以上に、主役だった。
楽曲との親和性は勿論ある。得意とする表現技法が今回のセットリストに合っているんだと思う。重ねた足跡の時より、明らかにノッていた。表現が爆発していた。パフォーマーとして、一皮剥けていた。楽しいが伝播する動き、思わず目で追ってしまう吸引力。
何より、自信に満ち溢れていた。表題曲である「愛を君に愛を僕に」のmvでも、彼女はソロカットがあった。スーパーいずみちゃんタイム、と彼女は自信満々に言ってた記憶がある。
どちらが先かは分からないけど、与えられたもののを大きさを理解し、それを成長に大きく変えてた一番は彼女のように思う。
次にあゆかぴょん副リーダー。彼女が活き活きしてる姿を見ると、何故か心が動かされてしまう。年齢以上に大人びた、どこかリアリスト寄りの考えの持ち主。パフォーマンスも、トークも、何でも平均以上で出来てしまう彼女だからこそ、ふわっとしてる劇場での姿を何度も観た(個人的な感想)。
そんな彼女が、他のメンバーの誰よりも目を爛々とさせていた。踊ることを、ファンの前でパフォーマンスすることを楽しいと、誰よりも感じていた。そういう時の彼女はズルい。そして、今日はそのズルいの最高潮だった。
そして、中坂さん。
もうなんか、この子は答え合わせに近い。SRなどで、日を追うごとに楽しそうに、ワクワクが止まらない姿を見てきました。
正直、新しいことをやる時の不安よりも、その先にある楽しさやワクワクが勝る彼女の姿、あんまり見たことが無くて。特に公演の新ポジやライブなど、覚えることが多い時はヤバイヤバイ言ってるイメージが強かった。
そんな彼女が、ワクワクを隠しきれず、立ち位置などはある程度大丈夫と言いのけた。その時に、何かスイッチ入ったのかなぁと。だから、ポスターなんか作ったりなんかして、勝手に期待してました。
そしたら、案の定でした。
元々、ファンに見せる表情は豊か。それが劇場公演だとどうしても100%は見えなくて。そこに『頭で考える』部分が見え隠れする。少し、固く感じる。
今日の新公演、それがまるで無かった。誰よりも、しっかり真面目に遊んでいました。特にポップな曲のフリと表情。よく彼女を見てる人からすれば、「あっ!この表情知ってる!」。中々見る機会の少なかった人からすれば、「中ちゃん、こんな表情するんだ……」と。
多くの人が、しっかり目を奪われたと断言出来ます。今日は、MCもいつも以上に積極的に入ってたし、ユニット終わりの三人の絡みは新公演名物になりそうだなぁ。
とまぁ、あげ始めたらキリがない訳です。
勿論、他の子も本当に成長の証が見えて、今回の新公演にしっかりアジャストしてきたなという印象。勿論、みよまるーちゃんや青海さんとか間違いない人達は間違いなかった訳だけど、今日の昼公演に関しては決して飛び抜けた印象が無くて。
公演曲自体の雰囲気の引き出しが多い分、メンバーのパフォーマンスが追いつけば、誰しもが主役になれる良い公演だなぁと思いました。
……多少、聴いて楽しむ曲・観て楽しむ曲が多いので、コールで一緒に作り上げる感じとは別物なあたり、好き嫌い分かれそうですが(私は好物です)。
いつも以上に小刻みなステップとかも多いし、メンバーは大変そうですが。
という感じで、何も塗られていない初日を観ることが出来た素直な感想です。まだまだ、この公演は良くなりますよ。
ソロ公演について本気出して考えてみたら、意外に楽しいものだと気づいた。
2022年になって、やっと今日、エンターテイメントを目の当たりにした。
昨年末に開催された新世代コンサートは体調不良で辞退し、遡れば、11月に拝見したGU公演以来の現場になる。
私の近況というか、気持ちの移り変わりなんて、それこそ四季のように移りゆくもの。今更そんなことを書いても需要がないのは百も承知。だが、3人の女神の素晴らしさを語る上で少しだけ触れさせて欲しい。
上記の通り、とてもとてもとても楽しみに、一種のヤマと捉えていた新世代コンサートを観ることが出来なかった。
私の中で9期というのは本当に特別な存在で。そんな彼女達が主体となるであろう新世代コンサートは、どんな公演よりも価値のあるものだった。
何としても、その姿を焼き付けたい。
己が中心だと自覚した時に、ずっと追いかけている9期のみんなはどういう表情を浮かべるのだろう。
『変化』、そこにしかない輝きは必ず存在する。
それを自分で切り取って、彼女達の勇姿を自分が得意とする作品に嵌めこむ。
それで、もう一つ上のステップに行けると確信していた。
まぁ、そんな訳で、もう、どうでもよくなってしまったのだ。
時間をかけて、作りあげてきたジグソーパズルがあともうちょい…というところで、数ピース足りないことに気づいたのだ。
正直、年明けてからしっかり情報も追えていない。そもそも動画を作らないのなら、隅から隅まで追う必要もない。もう最近書くこともないし、潮時かなぁ。
そんな中で、3月6日。久しぶりに、SKE48に触れた。
愛知県のコロナ感染状況も依然として油断を許さない。人が集まって行動すれば、自ずと感染の足音が聞こえてくる。そんなリスクだらけの状況下で、興業として成り立たせるための苦肉の策。なるほど、ソロ公演という最適解。
元より、一人の子を観るのは苦手というか、面白くないと感じる天の邪鬼なので最後まで悩んだ。ただ、ちょっとだけ背中を押してくれた友達の存在と、愛知県での生活に終わりが見えつつある自分の状況を踏まえて、ちょっとお邪魔してきました。
(……本抽選外れて、トレードで当たるというのも自分らしい)
さて、しみったれた自分語りはもう無しなので、ご安心ください。
今回のソロ公演、簡単に言うとソロ公演×3です。いやね、一人4曲やるのは知っていたので各ブロック毎に繋ぎのMCが入って、連続でやるのかと思っていました。そうではなく、一人一人の公演が終わると幕の開閉があり、照明の明転・暗転があり、あくまでソロ公演という体。
で、一人目。時田がほんのちょっとだけ他の子よりも贔屓していると噂の入内嶋涼さん。
全体を通して、『内面』や『想い』を伝えようとする楽曲が多かったなぁと。
憧れのあの人がいる,いたチームE曲の『重力シンパシー』『オレトク』。
足の怪我で出演することが叶わなかった手をつなぎながらで披露するかもしれなかった『この胸のバーコード』。
そして、新世代コンサートで苦汁をのんだ(という光景は観れてないのだけれど)『恋の根拠』。
憧れ、喪失、焦燥、悔しさといった負の感情ないしはそれと隣り合わせの感情。でも、そういう気持ちを見事に消化し、今の自分で演じきった。舞台上でパフォーマンスに昇華する姿は、とても強くてカッコ良かった。
個人的に、彼女のどこが素敵なんだろう、他の子と何が違うんだろうと思うことが多々あって。今まで気になってきたメンバーって、割とストロングポイントが分かりやすくて言語化することも容易だったのですが、この子に関しては自問自答することも多い。
そんな中で見えた一つの答えが、『感受性の豊かさ』なのかなと。
ここで言う豊か、というのは感受性が強いということで言わばアンテナを張りっぱなしの状態。そうなると、負の刺激も受信しやすい。
でも、その負の刺激、乗り越えてしまえば大事な経験,表現力の糧になる訳です。
そんな部分が垣間見えたのが、3曲目のこの胸のバーコード。
アンニュイな曲調の割に、色気や妖艶とも異なる曲。その曲の真髄は、寂しさや切なさ、焦りといった『負』の感情だと思っていて。
その表現が、彼女の佇まいと本当に合っていて、素敵でした。哀しいかな、もっと順風満帆な方が彼女の素敵な笑顔が観れるはずなのに、そこが何とも儚くて切なくて美しい。
少し長くなりましたが、二人目の池田楓さん。
この子は、全体を通して『緻密』だなぁと。よく練られていて、よく作り込まれていて、アフタートークで話したいことが多くなる気持ちも非常に分かる。
自分というストーリーを主軸になぞらえながら(最終ベルが鳴る,初日)、魅せたいもの(c/w)と、根底にあるもの(長崎,待ち合わせたい)をチョイス。
そして何より、彼女は衣装のチョイスが本当に素敵でした。
c/wをしたいということで選んだベレータイプの帽子は勿論、衣装もどことなくハウステンボスというか、オランダチックなディテール。これがまた、彼女の素朴な可愛さにピッタリなんですよね。衣装って勿論舞台で映えるように、というものなのですが、彼女が着ると凄くリアルクローズに近い感じ。
着るべき人が着れば、衣装もその人の可愛さも倍増する。それを地で行くような素晴らしいチョイスだったと思います。
そういうストーリーの組み立て方と、衣装の選定と、そこに合わせる自分のパフォーマンスと全てが上手く組み合うような感覚。凄く緻密で、何と言うか美しい数式を見たような感覚になれる公演でした。
そして、最後にちょっと食い意地の張った(自称)王道アイドルの田辺美月さん。
そうねぇ。
あれねぇ。
完全に、やられましたね。
実力至上主義、上等。凄く、バイオレンス。あんなの、もう一種の暴力だよ。
例えるなら、メジャーリーグの遊撃手。
守備位置とか、打球判断とか、そういった創意工夫する必要があったら、地肩を強くすればいい。何という至極簡単なパワープレー。
確立されたパフォーマンス力を武器に、それが最も効果を発揮するであろう舞台を整える。その結果に、観客が驚愕する。ほくそ笑む、田辺。やられたよ、ホント。
最初に、まさかの『escape』のフル尺。
『いつまでも後輩じゃいられない』という題名どこいった。題名詐欺も大概にしろ。あんな後輩、いてたまるか。あ、いやむしろ題名通りなのか。ん?難しい。
まぁ兎にも角にも、パフォーマンスって意味で言えば、場数が物を言うなぁと。
escapeにしても、美しい稲妻にしても、何故か観たことがないような感覚に陥りました。それくらい、自分のモノにしている。あんなに流麗なescape観たことないし、あんなに躍動感のある美しい稲妻も観たことがない。両曲とも久しぶりのフルってこともあるかもしれませんが、違う、アレはそんなおぼろげなものではない。
田辺だから出来るセットリスト、田辺じゃないと見応えのないセットリスト。
ただ、キツイ曲をやったんじゃない。こなしたんじゃない。どれもしっかり演じきった。
もう、みっちゃんなんて生易しい音じゃないよ。田辺さんだよ。くそぉ、あがったわ。ハチャメチャにカッコ良かったよ、みっちゃん。
と、まぁ、情報も追えてなくて、アイドルアカウントで服のことや野球のことばかり語る訳にもいかず。最近書くことないなぁと思ってたヲタクが勢いのあまり、3,000字近く感想を書いてしまうぐらいには良かったです。
三者三様、本当に良いものが観れたので3人には感謝しかありません。
それでも、やっぱり大勢いる中での『ウォーリー』探しが大好きなので。
早く通常の劇場公演が出来る日々が来ることを祈るばかりです。
拝啓鎌田様 私の『好き』を食らいやがりなさい
拝啓 鎌田菜月様
この度は私の親愛なる赤堀さん、伊藤さん、井上さん、入内嶋涼さん、倉島さん、菅原さん、西井さん、平野さんをご指名いただき誠に有難うございます。
加えて、我々ファンの想いが介入出来る余地をご準備いただき、心より御礼申し上げます。
さて。
鎌田様から頂戴しております指令内容としましては、『好き』を共有せよ、とのことだったと思います。
覚悟してください。私の『好き』は海よりも浅く、山よりも低いですが、その広さだけは、広大な濃尾平野に勝るとも劣りません。
存分にその広さを堪能していただき、少しでも素晴らしい公演の礎となるよう、好きをしたためさせていただきます。
まず、赤堀君江さんですが、舞台上でとてもキラキラしています。
え? 表現が稚拙だって?
だって、しようがないじゃないですか。本当に、輝いているんですよ。
楽しそう、とも微妙に違う。カッコイイ、とも違う。血気迫る、とも違う。
舞台外では掴みどころのない一人の少女が、まさしくアイドルになる瞬間の輝き。
それが、最も強く、眩しくて目が離せない。そんな子です。
「どう?私、アイドルしてる?」そんな表情を時折見せる姿が、たまらなく好きです。
次に、伊藤実希さん。The フィジカルモンスター。
研究生とは思えない表現力もさることながら、彼女のストロングポイントはやっぱり身体能力の高さ。
飛んで、跳ねて、また飛んで。
体感の強さと、長くすらっとした手足を遺憾なく発揮したパフォーマンスは、それだけで研究生公演を観たいなぁと思える逸品です。
そんな彼女を万華鏡に据えて、あえてその『静』を観てみたかったりもします。
次に、井上瑠夏さん。選抜などで一緒にいる時間も多いでしょうから、一ファンが言うのも今更ですが、今最も真ん中が似合うメンバーだと思います。
あんなにふわっとした人柄ながら、パフォーマンスに隙は無く、オールラウンダー。
可愛らしい曲は勿論、先日のDear Jよろしくクールなダンスナンバーもお手の物。
ユニットなれば、どんな曲でもやはり真ん中に。鎌田様に選ばれて真ん中をやっている、そういう自覚の元で彼女がどんなパフォーマンスをしてくれるのか、想像するだけでどうにかなりそうです。
続きましては、倉島杏実さん。このメンバーも鎌田様と同じチームで今更語ることもありませんが、一ファンとしては『女性としての変化』にフォーカスを当てて欲しいなと。
季節の変わり目がとても風流であるように、成長の端々に焦点を当てると凄く面白い頃合いなのかなと。
少女としての背伸びと、女性としての自覚。そんな変化の節目を感じさせるような、言ってしまえば今だからこそ出来る等身大な楽曲に当てて欲しいなぁと思うばかりです。
え? 表現が気持ち悪いって? 自覚があるヲタクなんで、許してください。
次に、菅原茉椰さん。凄く、美しくて、流麗です。
今回のメンバー、意外と『剛』寄りの印象が強くて、その中で綺麗な『柔』を表現できる数少ないメンバーだと思います。あ、鎌田様もですね。
そういう意味では面白みのないチョイスですが、やっぱり万華鏡が観たいです。いや、まぁ、あのシャーベットカラーの衣装との相性が抜群過ぎる訳ですよ。
天使のしっぽを全力でやれ、という逆張り(と言ったら無礼千万ですけど)もとても面白いと思うのですが、そこはやはり至高の領域を見たいです。
次にきますのは、西井美桜さん。可愛い顔に似合わず、ラスボスですぜ、この子。
もう、バッキバキなんです。ダンス然り、表情然り。
舞台というか、戦場というか。小さな体で、舞台上を切り裂いていく姿はまさに戦舞。
天使のしっぽで可愛さを爆発させても良いんですが、パフォーマンスだけでいったら是非赤堀さん辺りと組ませて、剛 vs 剛を見てみたいです。もう、斬り合いですよ。私は、是非、斬られたいです。
次に、平野百菜さん。この子もその可憐さにフォーカスされがちですが、パフォーマンスは割と武闘派ですよね。うーん、こんなところにもしっかり根を張る須田のDNA。
なので、見慣れた天使のしっぽもいいのですが、こういう特別な機会。折角なので、イカツイ曲をあててあげても面白いと思います。
そして、入内嶋涼さん。鎌田様曰く、名字が強い子ですが、是非しっかり味わって欲しいです。強いのは名字だけじゃないですぜ。
あと、天使のしっぽが観たいです。白がもう大変似合う子です。しっぽも、耳も最高に似合うと思います。もう、何でもします。えっと、どこに小判入りのういろうを送ればいいですか? もう、本当に何でもしますから、入内嶋涼×天使のしっぽを見せてください。可愛さは保証します。保証人になります。連帯保証人にでも何でもなりますから。お願い。うちの子が観たいって。あ、独身ですけど。冥土の土産に。
アぁ何でもしますから。お願いお願いお願いお願いお願い。
いうことで、以上が一ファンの海よりも浅い好きでした。
何卒ご検討の程、宜しくお願い致します。
時田
sakae 9th 21SS コレクション入荷のお知らせ
変わったお店と一言で言っても、いろんなパターンがある。
店構えが風変わりなお店。
品揃えがちょっと変わっているお店。
店員が一癖あるお店。
大きくこの3つに分類するのであれば、今から紹介するセレクトショップ
『D.D.』は間違いなく最後に分類される。
とにかく、セレクトに対する店主の愛が強過ぎるのだ。
そんな店主の強過ぎる愛が最も強くなる一日。それが贔屓にしているブラン
ド『sakae』の新作発売日である。
店主「……いらっしゃいませ」
客A「あの、sakaeの新作をみたくて…」
店主「……お兄さん、sakae好きな乃??」
客A「好きって訳ではないんですけど、気にはなっていて…」
店主「いやいや、気になってるぐらいなら、早く足突っ込んだ方が良いよ!」
客A「あ、でも他にも気になるのが……」
店主「いいから、いいから。特に今回の9thシリーズは最高傑作だから!!」
客A「(押しが強いなぁ)……じゃあ、ちょっとだけ」
店主「まず、9thを象徴するアイテムがこれだね」
客A「これは知ってます!友達がこのAOUMI着てて、それでいいなぁって」
店主「AOUMIは爆発的に広がったからね」
客A「でも、ミーハー感が出てきちゃうので個人的にはあんまり……」
店主「君は、AOUMIの良さを1mmも分かっていない」
客A「え……?(客を君呼ばわり……)」
店主「いいかい?確かに、AOUMIは爆発的に売れてマス層に一番刺さったシリーズだ。市場を席巻しているということは、逆を返せば、差別化ができないということ」
客A「だから、それを……」
店主「おまえは、AOUMIの良さを0.1mmも分かっていない!!!」
客A「(今度はおまえ呼ばわり……)」
店主「AOUMIはねぇ、もうトレンドではなく、定番の域に達してるのだよ。
まず、コーディネートの主役に据えても見劣りしないディテール。色みも鮮やかで
観たものの視線を鷲掴みする。掴まれたら、もうそのシルエットが脳裏から離れ
なくなる」
客A「…あ、はい」
店主「それにね、どうしても表地の鮮やかさが目立つけど、AOUMIの真骨頂は
裏地にあると思うね。表地の鮮やかさとは一転、非常に職人気質な仕上がりに。
見てよ、このステッチ。彼女が歩み続けてきた歴史が、苦労が感じられるでしょ」
客A「……ステッチで歴史なんて分からないんじゃ?」
店主「……感覚的な話だよ。とにかく、王道かつ定番になるべくしてなったAOUM
I、どうだい?」
客A「まぁ、確かにAOUMIもいいんですけど、この際他のも……」
店主「じゃあ、これはどうだろう?」
店主「今、AOUMIと双壁をなす人気を誇るMICHANだね」
客A「あ、これいいですね」
店主「だろう?MICHANはとにかくシルエットが綺麗。基本的な
パターンをひたすら、ひたすら丁寧に仕上げて、一種の芸術にまで昇華
させた形だね。だから、彼女の良さは動いた時に真価を発揮する。
風になびいた時のドレープが最高にいいんだ」
客A「あ、じゃあ、これに……」
店主「いや、決めるのはまだ早い。これまたAOUMIと双壁をなすkimiAはどう?」
客A「(双壁がいくつあるんだよ…)」
店主「ハンガーの吊るしの印象と、実際に着てみた時の印象と最も違うのが
このkimiAだね。吊るしの状態だと派手だなぁ合わせにくいなぁと思うんだけど、
着てみてビックリ。これがまたそこまで派手過ぎず、割とモードな印象すら
与えてくれる。一度ハマるとやみつきになる人が多いよね」
客A「じゃあ、そのkimiAを試着しても…」
店主「いやぁ、これもいいんだよね。型番:aaaaAYA」
客A「(人の話を聞いてない…)」
店主「aaaaAYAは、よくD1のYUKIARAIモデルに似てるって評される
んだけど、この型の個性はむしろ『独特の色の艶やかさ』だと思うなぁ。
黒や赤、ヌードカラーみたいにthe 色気って色のレパートリーもあるけど、
むしろペールトーンの方がどことなく色気を感じるっていう。不思議な型
番だよね」
客A「分かりました。じゃあ、そのa……」
店主「まぁまぁ、慌てない慌てない。次、コレなんかどう?」
客A「…まるで聞く耳もたないな」
店主「シンプルに好き!!!可愛い!!!」
客A「…急に雑になったな」
店主「本当に好きなものは、語彙力が低下するものだよ」
店主「さぁ、次に、こんなのはどうだろう?」
店主「柔らかい色み、今季特に流行った薄めのアースカラーが特徴のISAN。
いやぁ、この独特なのに温かみのある純朴な色合いはISANしか出せないよ。
黒にも白にも合うし、良い意味で敷居が低い、デイリーユースしやすい型だね」
客A「あぁ、でも馴染みやすさ、使い勝手の良さって大事ですよね」
店主「本当にそうだね!衣食住って言われるように、日々使うものだから
そういう部分は割と重要だったりするな」
客A「(割とまともな接客もできるんだなぁ)」
店主「あとは、これなんかどうだろう?」
客A「あ、これも知ってます。友達が好きで、結局こればかり着ちゃうって」
店主「良い友人だ。大切にしなさい。トップスにしろ、パンツにしろ、独特の
シルエットが多いんだけど、それぞれにしっかりとした意味がある。その構造が
分かると面白い程に好きになってしまう。中々の沼だよhimekaは」
店主「独特のシルエットって意味で言うと、このBOONもそうだね」
客A「これはかなりエッジのきいたデザインですね」
店主「と、思うじゃん??」
客A「(……ぶん殴っていいかなこの店主)」
店主「昨シーズンのSSなんかはかなり尖ったデザインが多くてとっつきに
くい印象だったけど、AWあたりからかなり角が取れて良い塩梅になって
きたんだよ!元々、使われている生地の良さには定評があったから、
これから注目していきたい型だね!」
客A「いや、でもsakae初心者なので、もう少しこう入門編を……」
店主「そういう話なら、CASANがオススメかな」
客A「いいじゃないですか!コレ!」
店主「分かってるね!上品な色使いに、光沢のある生地。シルエットも細身で
綺麗だし、インナーにもアウターにも使える万能感。万人にオススメできる、
ドレスライクな綺麗めの型番だ」
客A「じゃあ、これを…」
店主「あとは、過去の名作の復刻版もあってね!」
客A「……あれ会話になってない??」
店主「君は、sakae 4thを知っているかい?」
客A「あ、知ってr……」
店主「知らないだろ?」
客A「……あ、はい」
店主「4thってのはsakaeのレーベルの中でもかなり癖のあるコレクションでね。
でも、その癖が受け入れられてからはかなり熱狂的なファンがついたレーベル
でもある。かくいう私も4thには目がなくてねぇハッハッハッ」
客A「それが、CHIMAとどういう関係が…?」
店主「おまえは、CHIMAの良さを1ミクロンも分かってない!!!」
客A「分かってないから聞いたんでしょうが!!」
店主「いいかい?このCHIMAこそ、4thの良さを踏襲している名作なんだ。
勿論、ただの復刻版じゃない。憧れだけじゃない。多くを語らない不器用さと、
ちょっとした無骨さと、輝きを放つ時の唯一無二感。これが一番だ!!!」
客A「もはや、服の評価かどうかすら分からない……」
店主「他にも、過去の名作に少なからず影響を受けたものもあるんだ!」
店主「これなんだよなあ!!さぁ、青春ボーイズ、元となるレーベルが分かるかい?」
客A「えっと、ブランド立ち上げの1stですかね?」
店主「……チッ!」
客A「当てたら当てたであからさまに不機嫌になるのやめて」
店主「まぁ、あれだ。1stってのは、sakaeのファンからしても特別な
レーベルなのよ。立ち入れない領域なのよ。言わば神々の領域なのよ」
客A「(なんか聞いたことある言い回しだな)」
店主「そこに、踏み込んできたのがMe Uなのよ!いやぁ、デザイナーも
かなり勇気がいると思うよ。でもね、期待してしまう何かがあるんだ。
時間をかけて、育てて、育てて、経年変化を楽しむ。レザーみたいな
楽しさがある型だね」
客A「あの…育てるとかよく分からないので、CASANを…」
店主「経年変化、って言えば、MOMOも欠かせないよね!!」
客A「全然聞こえてない…あやめろかよ…」
店主「これはね!普及の名作と呼ばれ、今なおフラッグシップとして愛されて
いる3rdのDaSuに影響を受けたMOMOだね!」
客A「(……一度当てられたから、問題にもしないのか)」
店主「これもまた経年変化を楽しめる型だ。DaSuみたいに、傷や汚れも味として
しまう逸品になるか、はたまた違う表情を見せる代物になるか。楽しみでならない」
客A「なるほど。そろそろ、こんなもんですかね?」
店主「おまえは、sakae 9thの良さを1ビリオンも分かっていない!!!」
客A「ビリオンって何の単位だよ」
店主「色々紹介したが、個人的一推しはこれだ」
店主「他と比べて、少し大きめのサイズ感なんだけどやんちゃなイメージに
ならない。ゆるっとふわっと、大人も着ることができるカジュアルテイスト
なFuYu。勿論、仕立てや縫製はしっかりしているし、着心地も良くて、
病みつきになるんだよね。大人には是非、これをリコメンドしたい!」
客A「一推しがあるなら早く言ってください!じゃあ、その一推しを…」
店主「一推しといったら、これだね!!」
客A「もう『一』の概念がぐちゃぐちゃだよ……」
店主「NANYA SUKIYA!!!!!」
客A「凄い…分かりやすく語彙力失ってる…」
店主「一応、言葉でも説明しておくと次のネクストブレイクはこの型だと思って
るんだ。Tシャツでも、シャツでも、スウェットでも、ニットでも一枚でサマに
なる、それっぽくなるアイテムが多い。映えるよぉ…この子は」
客A「(服にこの子って言ってる怖い)」
店主「さて、長くなったけどこんな感じかな?」
客A「アレ?ルックとか観てると、21SSって15型くらいあった気がしたんですが」
店主「……ん?あぁ、もう一型あるけど、売り切れちゃってねぇ」
客A「えぇ?もう完売ですか?余程人気なんですね!」
店主「……そりゃもう。ハハハ。さぁさあ、14型もあるんだから、良さそう
なのから着てみてよ」
客A「そうですね!悩むなぁ……」
…
……
………
型番:HAPPY ISLAND
状態:店主が売約済
つづ……かない。