sakae 9th 21SS コレクション入荷のお知らせ
変わったお店と一言で言っても、いろんなパターンがある。
店構えが風変わりなお店。
品揃えがちょっと変わっているお店。
店員が一癖あるお店。
大きくこの3つに分類するのであれば、今から紹介するセレクトショップ
『D.D.』は間違いなく最後に分類される。
とにかく、セレクトに対する店主の愛が強過ぎるのだ。
そんな店主の強過ぎる愛が最も強くなる一日。それが贔屓にしているブラン
ド『sakae』の新作発売日である。
店主「……いらっしゃいませ」
客A「あの、sakaeの新作をみたくて…」
店主「……お兄さん、sakae好きな乃??」
客A「好きって訳ではないんですけど、気にはなっていて…」
店主「いやいや、気になってるぐらいなら、早く足突っ込んだ方が良いよ!」
客A「あ、でも他にも気になるのが……」
店主「いいから、いいから。特に今回の9thシリーズは最高傑作だから!!」
客A「(押しが強いなぁ)……じゃあ、ちょっとだけ」
店主「まず、9thを象徴するアイテムがこれだね」
客A「これは知ってます!友達がこのAOUMI着てて、それでいいなぁって」
店主「AOUMIは爆発的に広がったからね」
客A「でも、ミーハー感が出てきちゃうので個人的にはあんまり……」
店主「君は、AOUMIの良さを1mmも分かっていない」
客A「え……?(客を君呼ばわり……)」
店主「いいかい?確かに、AOUMIは爆発的に売れてマス層に一番刺さったシリーズだ。市場を席巻しているということは、逆を返せば、差別化ができないということ」
客A「だから、それを……」
店主「おまえは、AOUMIの良さを0.1mmも分かっていない!!!」
客A「(今度はおまえ呼ばわり……)」
店主「AOUMIはねぇ、もうトレンドではなく、定番の域に達してるのだよ。
まず、コーディネートの主役に据えても見劣りしないディテール。色みも鮮やかで
観たものの視線を鷲掴みする。掴まれたら、もうそのシルエットが脳裏から離れ
なくなる」
客A「…あ、はい」
店主「それにね、どうしても表地の鮮やかさが目立つけど、AOUMIの真骨頂は
裏地にあると思うね。表地の鮮やかさとは一転、非常に職人気質な仕上がりに。
見てよ、このステッチ。彼女が歩み続けてきた歴史が、苦労が感じられるでしょ」
客A「……ステッチで歴史なんて分からないんじゃ?」
店主「……感覚的な話だよ。とにかく、王道かつ定番になるべくしてなったAOUM
I、どうだい?」
客A「まぁ、確かにAOUMIもいいんですけど、この際他のも……」
店主「じゃあ、これはどうだろう?」
店主「今、AOUMIと双壁をなす人気を誇るMICHANだね」
客A「あ、これいいですね」
店主「だろう?MICHANはとにかくシルエットが綺麗。基本的な
パターンをひたすら、ひたすら丁寧に仕上げて、一種の芸術にまで昇華
させた形だね。だから、彼女の良さは動いた時に真価を発揮する。
風になびいた時のドレープが最高にいいんだ」
客A「あ、じゃあ、これに……」
店主「いや、決めるのはまだ早い。これまたAOUMIと双壁をなすkimiAはどう?」
客A「(双壁がいくつあるんだよ…)」
店主「ハンガーの吊るしの印象と、実際に着てみた時の印象と最も違うのが
このkimiAだね。吊るしの状態だと派手だなぁ合わせにくいなぁと思うんだけど、
着てみてビックリ。これがまたそこまで派手過ぎず、割とモードな印象すら
与えてくれる。一度ハマるとやみつきになる人が多いよね」
客A「じゃあ、そのkimiAを試着しても…」
店主「いやぁ、これもいいんだよね。型番:aaaaAYA」
客A「(人の話を聞いてない…)」
店主「aaaaAYAは、よくD1のYUKIARAIモデルに似てるって評される
んだけど、この型の個性はむしろ『独特の色の艶やかさ』だと思うなぁ。
黒や赤、ヌードカラーみたいにthe 色気って色のレパートリーもあるけど、
むしろペールトーンの方がどことなく色気を感じるっていう。不思議な型
番だよね」
客A「分かりました。じゃあ、そのa……」
店主「まぁまぁ、慌てない慌てない。次、コレなんかどう?」
客A「…まるで聞く耳もたないな」
店主「シンプルに好き!!!可愛い!!!」
客A「…急に雑になったな」
店主「本当に好きなものは、語彙力が低下するものだよ」
店主「さぁ、次に、こんなのはどうだろう?」
店主「柔らかい色み、今季特に流行った薄めのアースカラーが特徴のISAN。
いやぁ、この独特なのに温かみのある純朴な色合いはISANしか出せないよ。
黒にも白にも合うし、良い意味で敷居が低い、デイリーユースしやすい型だね」
客A「あぁ、でも馴染みやすさ、使い勝手の良さって大事ですよね」
店主「本当にそうだね!衣食住って言われるように、日々使うものだから
そういう部分は割と重要だったりするな」
客A「(割とまともな接客もできるんだなぁ)」
店主「あとは、これなんかどうだろう?」
客A「あ、これも知ってます。友達が好きで、結局こればかり着ちゃうって」
店主「良い友人だ。大切にしなさい。トップスにしろ、パンツにしろ、独特の
シルエットが多いんだけど、それぞれにしっかりとした意味がある。その構造が
分かると面白い程に好きになってしまう。中々の沼だよhimekaは」
店主「独特のシルエットって意味で言うと、このBOONもそうだね」
客A「これはかなりエッジのきいたデザインですね」
店主「と、思うじゃん??」
客A「(……ぶん殴っていいかなこの店主)」
店主「昨シーズンのSSなんかはかなり尖ったデザインが多くてとっつきに
くい印象だったけど、AWあたりからかなり角が取れて良い塩梅になって
きたんだよ!元々、使われている生地の良さには定評があったから、
これから注目していきたい型だね!」
客A「いや、でもsakae初心者なので、もう少しこう入門編を……」
店主「そういう話なら、CASANがオススメかな」
客A「いいじゃないですか!コレ!」
店主「分かってるね!上品な色使いに、光沢のある生地。シルエットも細身で
綺麗だし、インナーにもアウターにも使える万能感。万人にオススメできる、
ドレスライクな綺麗めの型番だ」
客A「じゃあ、これを…」
店主「あとは、過去の名作の復刻版もあってね!」
客A「……あれ会話になってない??」
店主「君は、sakae 4thを知っているかい?」
客A「あ、知ってr……」
店主「知らないだろ?」
客A「……あ、はい」
店主「4thってのはsakaeのレーベルの中でもかなり癖のあるコレクションでね。
でも、その癖が受け入れられてからはかなり熱狂的なファンがついたレーベル
でもある。かくいう私も4thには目がなくてねぇハッハッハッ」
客A「それが、CHIMAとどういう関係が…?」
店主「おまえは、CHIMAの良さを1ミクロンも分かってない!!!」
客A「分かってないから聞いたんでしょうが!!」
店主「いいかい?このCHIMAこそ、4thの良さを踏襲している名作なんだ。
勿論、ただの復刻版じゃない。憧れだけじゃない。多くを語らない不器用さと、
ちょっとした無骨さと、輝きを放つ時の唯一無二感。これが一番だ!!!」
客A「もはや、服の評価かどうかすら分からない……」
店主「他にも、過去の名作に少なからず影響を受けたものもあるんだ!」
店主「これなんだよなあ!!さぁ、青春ボーイズ、元となるレーベルが分かるかい?」
客A「えっと、ブランド立ち上げの1stですかね?」
店主「……チッ!」
客A「当てたら当てたであからさまに不機嫌になるのやめて」
店主「まぁ、あれだ。1stってのは、sakaeのファンからしても特別な
レーベルなのよ。立ち入れない領域なのよ。言わば神々の領域なのよ」
客A「(なんか聞いたことある言い回しだな)」
店主「そこに、踏み込んできたのがMe Uなのよ!いやぁ、デザイナーも
かなり勇気がいると思うよ。でもね、期待してしまう何かがあるんだ。
時間をかけて、育てて、育てて、経年変化を楽しむ。レザーみたいな
楽しさがある型だね」
客A「あの…育てるとかよく分からないので、CASANを…」
店主「経年変化、って言えば、MOMOも欠かせないよね!!」
客A「全然聞こえてない…あやめろかよ…」
店主「これはね!普及の名作と呼ばれ、今なおフラッグシップとして愛されて
いる3rdのDaSuに影響を受けたMOMOだね!」
客A「(……一度当てられたから、問題にもしないのか)」
店主「これもまた経年変化を楽しめる型だ。DaSuみたいに、傷や汚れも味として
しまう逸品になるか、はたまた違う表情を見せる代物になるか。楽しみでならない」
客A「なるほど。そろそろ、こんなもんですかね?」
店主「おまえは、sakae 9thの良さを1ビリオンも分かっていない!!!」
客A「ビリオンって何の単位だよ」
店主「色々紹介したが、個人的一推しはこれだ」
店主「他と比べて、少し大きめのサイズ感なんだけどやんちゃなイメージに
ならない。ゆるっとふわっと、大人も着ることができるカジュアルテイスト
なFuYu。勿論、仕立てや縫製はしっかりしているし、着心地も良くて、
病みつきになるんだよね。大人には是非、これをリコメンドしたい!」
客A「一推しがあるなら早く言ってください!じゃあ、その一推しを…」
店主「一推しといったら、これだね!!」
客A「もう『一』の概念がぐちゃぐちゃだよ……」
店主「NANYA SUKIYA!!!!!」
客A「凄い…分かりやすく語彙力失ってる…」
店主「一応、言葉でも説明しておくと次のネクストブレイクはこの型だと思って
るんだ。Tシャツでも、シャツでも、スウェットでも、ニットでも一枚でサマに
なる、それっぽくなるアイテムが多い。映えるよぉ…この子は」
客A「(服にこの子って言ってる怖い)」
店主「さて、長くなったけどこんな感じかな?」
客A「アレ?ルックとか観てると、21SSって15型くらいあった気がしたんですが」
店主「……ん?あぁ、もう一型あるけど、売り切れちゃってねぇ」
客A「えぇ?もう完売ですか?余程人気なんですね!」
店主「……そりゃもう。ハハハ。さぁさあ、14型もあるんだから、良さそう
なのから着てみてよ」
客A「そうですね!悩むなぁ……」
…
……
………
型番:HAPPY ISLAND
状態:店主が売約済
つづ……かない。